No.23 伊藤忠商事から違法教授まで-各種仲介

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外国との交渉は難しいものです。国家間の外交はもとより企業などの取引でも同様です。新疆で世界的文化財保護研究・人材育成・相互理解促進の三方面でいろんな活動をしてきましたので、折衝のノウハウや人脈も多少あります。1990年から経済・教育・メディアなど各方面からの要請にもとづき各種仲介をしてきました。いくつかを紹介します。

 

<伊藤忠商事>:度々の訪問から新疆を理解するキーワードとして四項目をあげてきました。①シルクロード=東西南北交流の道。楼蘭・キジル・ニヤなど多くの文化遺産が残存。②多民族=文化を運んだ多くの民族。ウイグル・漢・カザフ・回・モンゴル・キルギス・シボ・タジク・満州・タタール・ウズベク・ダフール・ロシアなど47民族。③資源=石油・天然ガス・石炭・レアメタルなど。開発中。④中央アジア経済圏センター=中国の西の窓口として活況。日本からも企業進出、政治的にも重要。

 

中国の習近平主席が「シルクロード経済帯」を提唱した2013年以降、新疆はその中心として注目されていますが、私はふた昔も前から新疆を中央アジア経済圏のセンターと言及してきました。例えば、自治体国際化協会の機関誌『自治体国際化フォーラム』(1994年8月号)にも発表しました。

 

そのような考えで、1992年に取引先の伊藤忠商事の中澤忠義副社長(後に東京工業品取引所理事長)・松本孝作部長(後に同社取締役をへてツルカメコーポレーション社長・故人)・南本権治郎課長(後にファミリーマート常務をへてツルカメコーポレーション社長)らを新疆へ案内し、王恩茂元党書記や王楽泉党書記・阿不来提・阿不都熱西提政府主席・李東輝政府副主席・金雲輝新疆生産建設兵団司令らへ紹介しました。双方は総合協定を調印し取引が開始されました。伊藤忠さんはウルムチ事務所も開設、「ウルムチ対外経済商談会」にも出展されました。野村證券も同様に紹介しました。

 

本年9月には第5回「中国-アジア欧州博覧会」が巨大会場で開催されます。「ウルムチ対外経済商談会」が発展したものです。開幕式には中国はもとより各国首脳多数が参加。小生も招かれています。

 

伊藤忠商事と新疆政府の協力協定調印式・海部元首相を王楽泉書記へ紹介(撮影:新疆政府)

伊藤忠商事と新疆政府の協力協定調印式・海部元首相を王楽泉書記へ紹介(撮影:新疆政府)

 

<海部俊樹元首相・佐藤観樹元自治大臣>:日本と新疆との文化交流、自治体間の交流を促進するために海部元首相と佐藤元大臣を新疆へそれぞれ案内、大歓迎されました。日本と中国の友好都市は360にものぼります。新疆でもトルファン市が山梨県甲州市と、ハミ市が富山県入善町と結んでいます。新疆政府の要請をうけ、佐藤自治大臣の配慮で広大・牧畜といった共通点のある北海道の横路孝弘知事に自治大臣室で陳情しましたが、実現しませんでした。どこか手を上げていただけると良いのですが、昨今の情勢下では難しいでしょうね。

 

<守口東高校・奈良女子大学>:小原暉男校長・岩崎雅美教授の依頼により、ウルムチ第一高中校と、新疆大学との交流協定をそれぞれ仲介しました。また芝浦工業大学と新疆工学院(現新疆大学)との自然エナジー活用実験や登山活動も実現させました。

 

<吉岡秀隆・役所広司>:東海テレビの依頼で吉岡秀隆氏の旅番組、テレビ東京の依頼で役所広司氏の旅番組を仲介。撮影にも立ち会いました。中でも玄奘さんが越えたと仮説のあるベデル峠はキルギスとの国境で軍事管理区のため許可取得には一汗かきました。この峠へは玄奘さんのインドからの帰路を研究中の安田順惠氏(奈良女子大学博士課程)も案内しました。

 

<東海テレビ・NHK・アジアドキュメンタリーセンター>:東海TVのキジル千仏洞(2014年世界文化遺産)を舞台とした「新シルクロード考・沙漠に降りた飛天たち」、ニヤ遺跡を舞台とした「風砂の蜃気楼-日中共同ニヤ遺跡調査」の3年間同行取材も仲介しました(ともにフジTV系列全国放映)。NHKでは「新シルクロード」と「新シルクロード展」を仲介。アジアドキュメンタリーセンター(ADC)の「天山を往く~氷河の恵み シルクロード物語~」撮影も成功させ、本年2月BSフジで放映され好評を博しました。

 

左端がニヤ取材の東海TV横山氏(撮影:筆者) キジル取材中のADC菅家・辻中両氏(撮影:楊新才氏)

左端がニヤ取材の東海TV横山氏(撮影:筆者)    キジル取材中のADC菅家・辻中両氏(撮影:楊新才氏)

 

<違法教授>:良い仲介ばかりではありません。新疆のカザフスタン国境付近で許可なくGPS測量を行い拘束され罰金刑を受けた国立大学や国立研究所の教授らのお詫び仲介を日中双方の依頼により行いました。各種活動は許可を取得して実施するのは当然のこと。まして外国での調査では必須です。当人や所属機関だけでなく、日本にとっても不名誉なこと。本事案でも「日本人がまた違法測量」と中国で報じられました。研究者は相手国の許可書を確認し、大学などは出張申請書に許可書添付を義務づける必要があるのではないでしょうか。

 

以上のような各種仲介の際にも、謝礼はもとより航空運賃や宿泊費も辞退しています。ビジネスでなくボランティアだからです。

 

オバマ大統領の折鶴

全国戦没者追悼式をテレビで観つつ黙祷をささげました。天皇陛下のお言葉「・・・さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来既に71年、国民のたゆみない努力により、今日の我が国の平和と繁栄が築き上げられましたが、苦難に満ちた往時をしのぶとき、感慨は今なお尽きることがありません。ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」が胸に迫りました。大戦中に生まれ「健康に生き名誉ある死を」との願いから「康誉」と名づけられ、名古屋大空襲や戦後食糧難・・・・・・をへての74歳。感慨はひとしおです。

 

その四日後、広島の原爆死没者慰霊碑で小僧ながら回向させていただきました。原爆ドーム(1996年世界文化遺産)では誦経姿をパチパチ撮られました。

 

平和記念資料館は内外からの人々であふれていました。何回も参観していますがこんなに多いのは初めてでした。5月に訪れたオバマ大統領のメッセージと折鶴が展示されていました。

 

人類のおろかさを語りかけてくるような原爆ドーム(撮影:筆者)

人類のおろかさを語りかけてくるような原爆ドーム(撮影:筆者)

オバマ大統領のメッセージと折鶴(広島平和記念資料館にて撮影:筆者)

オバマ大統領のメッセージと折鶴(広島平和記念資料館にて撮影:筆者)

 

メッセージは「我々は戦争の苦しみを経験した。共に平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気をもとう」と英語で記されています。

 

オバマ大統領は2009年4月、チェコの首都プラハ中心地の広場で大群衆にむかって「核兵器を使用した唯一の国として行動する道義的責任があり、米国が先頭に立ち核兵器のない平和で安全な世界を追求すると約束する」などと演説し、その年の「ノーベル平和賞」を受賞しました。「核のない世界に向け国際社会へ働きかけた」ことが受賞理由です。

 

具体的成果をあげていない段階での受賞には世界から「ふさわしくない」などとの意見が多数でました。現在の核保有国はアメリカ・ロシア・イギリス・フランス・中国・イスラエル・インド・パキスタン・北朝鮮。あわせて17,000発とか。人類を何回も全滅させるほどの量です。核兵器廃絶がさけばれる一方で、大量の核兵器が存在しています。

 

人類は戦争と平和を繰り返してきました。今この時も世界各地で戦争や紛争が続いています。それぞれの国益や主張は異なり対立が生じます。戦争を抑止し平和を維持するのは難しいことです。相互理解は困難です。だからこそ相互理解を促進することが必要であり、そこに国際貢献の重要性があるのではと思います。