中国西北部の新疆ウイグル自治区に来ています。一年ぶりです。もう150回以上来ているのに今年は初めて。前回は私の国際協力を実体験したいとの畏友諸氏とウルムチ・キジル・トルファンを巡る楽しい旅でした。その節は国際協力支援金をいただき重ねて御礼申し上げます。今回は一人旅。羽田から北京経由ウルムチ安着、待ち合わせ含めて12時間30分。出発直前ギックリ腰になり辛いフライト。例年より寒く、パジャマを下着代わりに着こんで過ごしました。エピソード中心に国際協力と嬉しい再会を報告します。

 

916日:王新疆文物局長らの出迎えを受け、海徳ホテルへ。ホテルロビーに30人ほどの日本人観光客。昨年までは皆無、増加中とホテルの人。団体の一人「石窟保存に協力されている方ですね。テレビで見ました」と。NHK「シルクロード・壁画の道をゆく」を見られたのか?

 

917日:第34回小島新疆大学奨学金授与=蒋副学長・李処長らと62人の院生・学生へ。約80人参加。副学長「累計4632人が各地各分野で活躍中」と、私「新疆、中国、世界、自分のため頑張って」と挨拶。サイン求められ全員に。蒋・李両氏も学生時代に受賞したと。ホテルへの地下鉄内で14年前にもらったという人や30年前にキジル千仏洞修復資金贈呈団に同行したという人から握手や自撮りを求められる。新疆文物考古研究所参観=李所長の案内でニヤ・ダンダンウイリク遺跡…の遺物修復作業激励。新疆図書館参観=リニューアルオープン最終準備中、数年前に文化文物賞もらった人もいると歴館長。

任華新疆政府副主席歓迎宴=美味しい料理と赤ワインで熱烈歓迎うける。任副主席「例をみない長期貢献に感謝」、私「中華人民共和国成立70周年お祝いします。観光客ふやすため再度テレビ番組制作したら」と挨拶。呉文化和旅遊庁書記らと大盛り上がり。土産に「五星」錦製品いただく。

 

奨学金うけて喜びの瞬間

奨学金うけて喜びの瞬間

 

918日:第19回小島新疆文化文物優秀賞授与=馬副庁長・王局長と20人4団体へ。約150人参加。副庁長挨拶「1988年に小島新疆大学奨学金をもらった。150人民元は半年分の生活費。89年90年ももらい大助かり」に涙ぐむ人も。私「文化財保護の基礎は人材育成と設立した」と挨拶。国際バザール参観=昨年9月には一日の入場者が17万人を超えたと。鳴り響く警報にビックリ、毎年この日は中国全土で。理由わかる方はよほどの歴史通。

新疆博物館参観=「8月は一日1.3万人、今月は一日1万人来場」と石書記。売店に私たち日中調査隊が1995年に発掘した「五星出東方利中国」錦をモチーフにした商品が約40種。新疆文物局歓迎宴=王文物局長とキジル壁画研究やTV番組制作など各種打合せ。1988年ニヤ調査開始時のイティリス元新疆文物考古研究所長・ダンダンウイリク調査で共に苦労した張元副所長らと白酒×乾杯×乾杯の連続。酔いつぶれる寸前。「博物館や大学でサインしたそうですね」「どうして知っているの?」「スマホに写真が多数アップされている」。

 

日頃の努力が評価され文化文物優秀賞受賞

日頃の努力が評価され文化文物優秀賞受賞

 

919日:第21回シルクロード児童育英金授与=ウルムチ市第54小学校の児童50人へ贈呈。王ウルムチ市外弁副主任・陳校長らと。発展した新疆、しかしまだ貧しい家庭も。子供の手書き感謝状がなによりの土産。親友8人と旧交暖める=友人のスマホで会話。定年・病気・閑職・出世・苦境…互いにエール。記念植樹碑再会=2001年新疆政府「小島先生来訪20周年記念行事」の一環で行われた植樹碑を親友が公園内で探し出して写真撮り。石碑は倒れているも残存。木は枯れて二代目のよう。答礼宴=お世話になった諸氏を招き、白酒×乾杯×乾杯×乾杯…。ホストゆえ頑張って。四九日剃髪、酔いで切り出血。

 

この子らに幸あれ(以上3点撮影:楊新才元新疆日報主任記者)

この子らに幸あれ(以上3点撮影:楊新才元新疆日報主任記者)

 

920日:唐新疆政府外事弁公室幹部が空港まで見送り。搭乗口で二人の日本女性「日本の方ですか。新疆で何をされているのですか」「文化財保護研究や人材育成などです」「エーッ?」「キジル千仏洞保護やニヤ遺跡調査などです」「どこに?」…。北京へて羽田安着。寓居の仏様に十念報告。

 

国際協力は食い違い頻繁、そんな時も感謝×感謝の5日間。会った人約300人、その方たちが発信したSNSを見た人は数千人…相互理解促進が少しは出来たことでしょう。皆の喜びが小僧の喜び。嬉しい再会×再会の5日間。口々に「次は何時来る」と、「用事が有ればすぐ来るし、無ければ来年9月には授与のため来る」と答えました。ありがたいことです。街には中華人民共和国成立70周年を前に国旗が溢れていました。

 

オマケの話①:北京空港通路に以前はなかった指紋登録機がずらーと。とまどっていると係員「何歳ですか」「77歳です」「パスポート見せてください」「はいどうぞ」、パスポート確認して「70歳以上は登録不要です」。高齢者は事件を起こさないと考えられているのか? 起こす元気も無いと配慮されているのか? その日は日本の「敬老の日」。ちなみに中国の「老年節」は旧暦9月9日(重陽節と同じ日)、今年は10月7日。

 

オマケの話上述の人材育成活動のひとつ、新疆文化文物優秀賞は人民元での契約、相当する米ドルで振り込むことになっています。昨今の米中貿易戦争などの関係から、人民元が安くなっており、日本円では昨年比45万円ほど少なく済みました。大助かり。

 

オマケの話その銀行は個人の海外送金一日上限500万円、奨学金と優秀賞は別の日に手続き。「振り込め詐欺」防止のためか、あれこれ聞かれます。毎年の事なので、通帳・印鑑・キャッシュカードのほか新疆側との契約書・昨年の銀行振込控も持参。

通帳を見て窓口担当「直前にまとまった金額が入金していますが、この方は?」「名前が印字されているように妻からの借入です」「来年も送金されますか?」「契約が残っているのでします」「来年もまとまった金額が個人から入金の時は、その方の通帳もお持ちください」「それまでにロト6が当たるからご心配なく」「どの番号が当たりそうですか?」と“楽しい”一時。

 

再会バスキア

 新疆から帰った翌日、六本木でバスキアに再会。「バスキア展 メイド・イン・ジャパン」(主催:フジテレビジョン・森アーツセンター www.basquiat.tokyo/)初日、30分待ち。殆どが若者、中高年は極少。この「ほんわか日記」71で紹介したバスキア作品9点の中では、下記作品が展示されていました。福岡市美術館からの出陳。TV局が撮影中でした。取材してくれたら「30年ほど昔に社長していたツルカメコーポレーションのアート事業部の在庫のひとつ」と答えたのに、残念(笑)。残念はもうひとつ、入場料シニア割引なし(笑)。

 

Untitled, 1984, acrylic and mixed media on canvas, 223.5×195.5㎝(貸出したPHARMAKON’90より)

Untitled, 1984, acrylic and mixed media on canvas, 223.5×195.5㎝(貸出したPHARMAKON’90より)

 

じっくりと参観しました。買い付けていた頃は、もっと迫力を感じましたが、当方の老化か、時代変化でアートも多様化し今では見慣れた表現だからか、30数年前の鮮烈な衝撃はありませんでした。でもでも嬉しい再会、シルクロードの疲れが消えました。いくつかの作品は「撮影可」で皆さんパチパチ。中には「可」でない作品を撮る人も。

 

Untitled, 1986, acrylic, collage, and oilstick on paper mounted on canvas を撮る人たち(撮影:筆者)

Untitled, 1986, acrylic, collage, and oilstick on paper mounted on canvas を撮る人たち(撮影:筆者)

 

この「ほんわか日記」71回で紹介したバスキア作品9点中の前澤友作氏が当日レート約62.4億円で落札し話題となった5mを超える下記作品は展示されていませんでした。展覧会図録には作品写真とともに「2016年5月10日、前澤はニューヨークのクリスティーズにおいて巨大な作品《無題》(1982)を5728万5000ドルで購入」と記されています。(図録と下記会社案内で作品サイズに若干差があるのは多分会社案内のミスでしょう)

 

左)会社案内(1990年版)からであることを示すため作品名などもスキャン 右)展覧会チラシ

左)会社案内(1990年版)からであることを示すため作品名などもスキャン 右)展覧会チラシ

 

図録に「2017年5月18日、日本の資産家である前澤友作は、ひとつの頭部が描かれた

《無題》(1982)を1億1048万7500ドルで購入し、オークション史上最も高価で売却されたアメリカ人アーティストの作品となった」と記されている作品も展示され、「撮影可」で人気を集めていました。上記チラシの作品です。

 

11月17日まで開催されています。是非お出かけください。私も再度出かけるつもりです。企業家時代から国際貢献時代まで支え続けてくれている妻とともに。ほんわかほんわか。