先月末、大阪で主要20ヵ国・地域首脳会議(G20大阪サミット)が開催され、安倍晋三首相が議長をつとめました。世界人口の約6割、世界GDPの約9割をしめるG20を漢字略表記すれば、G7の日・米・仏・英・独・伊・加はじめ、中・韓・露・印・豪・亜・伯・墨・尼・土・沙・南阿の19ヵ国とEU地域です。頭の体操にどうぞ。

 

さらに星など招待国8ヵ国と国連など9国際機関、合わせて37の国や機関が参加。まさに世界の経済と安全保障を話し合う重要会議。今回はデータ流通(大阪トラック創設)・景気下支え・WTO(世界貿易機関)改革・海洋プラごみ削減が討議されました。

 

各国の複雑な利害がからむ中、安倍首相が「対立でなく、共通点を見いだす」と繰り返し強調し、首脳宣言では貿易に関して「自由・公正・無差別・透明性・予測可能・安定」と6単語を重ねて「反保護主義」を強くにじませた文言が盛り込まれました。奮戦された多くの皆様お疲れさまでした。

 

全体会議とともに注目されたのが、二国間協議。日中首脳会談では「ハイレベルの往来強化・自由公正な貿易体制の発展・習主席の来春再来日」などで合意。さらに「両国の民間友好交流を積極的展開し、相互理解の増進と民心疎通の促進を図ることで合意」(レコード・チャイナ)、中国新疆で相互理解をキーワードに国際協力を実践してきた者にとって、ありがたい日中首脳会談となりました。

 

日米首脳会談では「日米同盟がかつてなく強固であるとの認識共有・同盟関係の一層の強化確認・中東情勢について意見交換」。続いて、インドのモディ首相も交え「3ヵ国の協力が地域の安定と繁栄にとって不可欠と確認」。米中首脳会談では「貿易交渉の再開で合意・当面は制裁関税を拡大しない・米製品のファーウェイへの輸出を条件付き容認」と一定の進展がありました。日露首脳会談は「平和条約交渉の継続」と外交的決着。番外:G20翌日、暴走型大統領は米朝首脳会談を急遽板門店で。パフォーマンス好きのトランプ氏らしいですね。G20出席と面子を立てた韓国訪問を活用して。

 

以上は報道のまとめにすぎませんので、民間ヨチヨチ外交実践者として、写真2点を紹介します。各国要人の来日に合わせて各地で厳戒態勢。1週間前の京都でもコインロッカーは全て使用禁止。多くの方が「困ったなぁ。どうしよう」と。何かと不便ですが、日本の繁栄と世界の協調のためには仕方ないですね。

 

G20大阪サミット7日前の京都駅ビルの一角(撮影:筆者)

G20大阪サミット7日前の京都駅ビルの一角(撮影:筆者)

 

もう1点はG20前日に放送されたイギリスBBCニュースの一画面。米中貿易戦争を解説している背景の地図。ご覧ください。何か気づかれましたか。台湾が中国と別の色になっています。隣接するキルギスとタジキスタンが中国と同じ色になっています。それぞれの駐英大使館は抗議したことでしょう。

 

G20大阪サミット1日前のBBCニュース(撮影:筆者)

G20大阪サミット1日前のBBCニュース(撮影:筆者)

習近平主席は28年前と26年前に福建省福州市党書記として来日。前回は2009年12月に国家副主席として来日。15日、天皇陛下御引見につづき、昼に都内のホテルで開催された日中友好7団体と華僑団体による歓迎レセプションには私も出席しました。

 

習副主席は「皆さんが長年、日中友好の信念で両国関係の再建・改善・発展に果たした貢献をたたえます。在日中国人は中日交流の架け橋であり使者であり感謝します」と挨拶、拍手が沸き起こったと当時の手帳にメモ。会場内外は厳戒態勢でした。

 

「なぜ厳戒?」と思われるでしょう。もう10年も前のことでお忘れでしょうが、当時の民主党政権が天皇陛下御引見を外務省・宮内庁の「30日ルール」を破り強引に実現させ、左右両方面から「政治利用」と報道や抗議デモなどがあったためです。なお前後関係はWikipedia「天皇特例会見」に詳述されています。興味ある方は検索ください。

 

習近平主席が国賓として再来日の来春は咲き誇る桜の下で、「永遠の隣国」として「日中新時代を切り開く、第五の政治文書」の調印を期待する一庶民です。なお習主席は清華大学卒業ですが、私は清華大学の「公共外交突出貢献賞」を受賞しています。

 

新時代の京劇:G20の約2週間前、上海京劇院「西遊記~旅のはじまり」(日経新聞・NPO京劇中心主催)に招かれました。初日とあってかテレビで見たことある諸氏ふくめて東京芸術劇場は満席。京劇は30年ほど昔に北京で観たことありますが、時代変化を反映して、孫悟空が空を飛び、雑技も取り入れられ、観客から拍手の連続。見ごたえある2時間でした。

 

中国建国70周年記念・日中文化交流協定締結40周年記念と銘打たれた公演に誘っていただいた人民日報の劉軍国氏によると今回も招聘はNPO京劇中心の津田忠彦理事長で、1986年から京劇日本公演を数十回と。これはスゴイことですね。日中の相互理解促進に役立ったことでしょう。民間外交の一例ですね。

 

「西遊記~旅のはじまり」パンフレットと『思い出の中のスマラン』表紙

「西遊記~旅のはじまり」パンフレットと『思い出の中のスマラン』表紙

 

インドネシアで活躍する日本人:同じ頃、友人から『思い出の中のスマラン』日本語版が届きました。スマランはインドネシアのジャバ島中部の港湾都市で、人口は約180万。代々商業を続けてきた家系のヨンキー・ティオ氏によりスマランの成り立ちから現在に至るまでの変遷が多数の写真とともにつづられています。

 

訳者の横山裕一氏は1991~93年に「日中共同ニヤ遺跡調査」を現地取材した東海TVクルーの一員、沙漠で共に苦労した友人です。98年のスハルト政権崩壊直後からフジTV系列のジャカルタ支局長として3年にわたり、民主化時代の幕開けを迎えたインドネシアの状況を伝え、帰国後は東海TVスポーツ部長などを務め退職。2013年1月からインドネシアに移住し、各分野のコーディネーターとして活躍中です。なお東海TV制作「風砂の蜃気楼-日中共同ニヤ遺跡調査」はフジTV系列で1995年5月に全国放送されました。

 

一時帰国中の彼に「英語から訳したの」と訊ねると「インドネシア語から」と。これには驚きました。50歳目前での外国語、本も訳せるレベルに。立派ですね。日本語版が刊行された昨年は日本インドネシア国交樹立60周年。本書の出版、そして横山氏の現地での活躍は、両国の相互理解促進に役立っていることでしょう。これも民間外交の一例ですね。

 

自画自賛

G20大阪サミット。それぞれが国益かけた首脳外交。TVや新聞などで発言を細かくチエックすると、当然ながらどの首脳も自国よりです。自画自賛とも言えます。

 

G20数日前に畏友諸氏に招かれ、長野県南木曽町一泊旅。南木曽木材産業さん見学。明治神宮・靖国神社・天台寺・皇學館大學・錦帯橋・大洲城……納入実績があると会社案内。そこには「木曽檜は30年経っても部屋に香りが漂い、いつまでも光っています。国産の檜や杉は空気を浄化する力が他の木に比べ7~8倍もあるそうです」と書かれていますが、山と積まれた在庫に日本の木材業の苦境を感じました。

 

鉄筋や外国材に押され、価格低下で手入れも出来ず、山が荒れれば、自然災害も増加。林業が疲弊し外国資本に買い占められれば国防的にも問題。林業は国家安全保障に直結する基幹産業、秋田・大館市には「秋田杉の器で地酒による乾杯を推進する条例」があるとか。

 

久しぶりの温泉。湯槽は立派な木曽檜。南木曽木材産業さん特製の木曽檜ウチワに「自画自賛」と走り書きしてみました。「上手い!」と自画自賛。

 

小僧楽書:背景は長野・南木曽町「富貴の森」(撮影:筆者)

小僧楽書:背景は長野・南木曽町「富貴の森」(撮影:筆者)

 

あれは「自画自賛だ」と批判的に使われる場合が多いですが、私は「自画自賛」おおいに結構と思います。自分の生き方を自分で決め、自分で動く、そして前向きに評価する。私はこれからも自分で描き自分で讃える「自画自賛」で生きていきます。後ろ向き自虐史観や自虐人生では幸せは来ないと思います。嗚呼ほんわかほんわか。