57回 日産ゴーン事件と国益意識

一世を風靡したカルロス・ゴーン会長、今や被告となり、連日のように報道されています。やがて全容が明らかになるでしょうが、不思議に思うのは、日産がピンチに陥った時、なぜ日本企業なり日本政府が手を差し伸べなかったのでしょう?

 

経営危機に陥った日産は1999年、ルノーから6000億円超の出資を受けて「傘下」に入りました。ルノーは日産株を43.4%保有しています。いわば救ってもらったといえますね。なぜ、日本企業なり日本政府が救わなかったのか庶民の素朴な疑問です。自動車産業という国家の基幹産業の巨大企業を外資に奪われれば国家の安全保障にも影響してくるという意識はなかったのでしょうか。ちなみにその一次二次下請先はおよそ15000社、その従業員は合わせて80万人とも言われています。

 

財務省の発表では昨年末の国債と借入金を合わせた「国の借金」は1100兆5266億円。1999年3月末では437兆円だったとか。驚くほどの借金ですが我が国はびくともせず、外国で何かあると「比較的安全な円が買われた」と円高になるほどです。

 

そんな日本なのに窮地の日産を救えなかったのでしょうか。6000億円は大金いや巨額ですが、巨大企業や政府からすれば驚くような金額ではないはずです。方法はいくらでもあったはず、それがなぜ外国からの支援に頼ったのか。国益意識の強い中国と各種活動をしてきた者からすると、日本の国益意識の弱さを感じます。

 

ホテルのスリッパも4言語(撮影:筆者)

ホテルのスリッパも4言語(撮影:筆者)

 

安倍晋三首相が春節の前日(日本の大晦日)の今月4日に北京の日本大使館の中国版ツイッター微博で中国人に向けて「大家過年好!」(皆さん良いお年を!)と中国語でビデオメッセージを送り、ネットユーザーから好意的な感想が多く寄せられたそうです。日本最大の中国情報サイト「Record China」で知りました。

 

Record Chinaはまた「安倍首相は『国益のためなら笑われても批判されても何のその』、中国メディアが論評」と題して報道。それによると「中国メディア上観は、安倍首相の外交姿勢を高く評価する記事を2月5日掲載した。卑屈だとあざ笑われたり批判されたり嘲笑される事例があるが、すべては国益を考えてのことであり、見下すことはできないと論じた」とあります。

 

そして「米大統領選直後にトランプ氏との会見に駆け付けたり、プーチン大統領に2時間も待たされたのに満面の笑みで出迎えたことに対して、中国では嘲笑したり,まるで秋田犬のようだと揶揄された。しかしこれらのエピソードから安倍首相の凄さの一面が見てとれる。国益と自分のメンツ、あなたはどちらを選ぶか。安倍首相の選択に疑いはない。こうであってこそ真の政治家なのだ」と報じています。

 

21世紀は国際協力の世紀。世界中の人々が大量に行き交っています。写真のようにスリッパさえ4言語表示の時代となりました。だからこそ「国益意識」をしっかり持たないと沈没してしまいますね。政治家だけでなくメディアも私たち庶民も。

 

行きつ戻りつ

わが人生は迷いの道です。行きつ戻りつの連続です。ふらつきふらつきよちよち歩き。清貧に甘んじ日常の出来事に楽しみを見出し、喜びを詠み上げた江戸末期の歌人・橘曙覧の「たのしみは」で始まり「とき」で終わる「独楽吟」52首。1994年天皇皇后両陛下の訪米時、クリントン大統領が歓迎挨拶で、「たのしみは朝おきいでて昨日まで無かりし花の咲ける見るとき」が好きだと語ったことでも知られています。

 

その「独楽吟」をお借りした念仏行脚日本縦断した際の駄作のひとつが「たのしみは行きつ戻りつヨチヨチとふわりふわふわ道さがすとき」です。ほんわかほんわか。

 

小僧楽書:背景は東京湾レインボーブリッジ端っこ(撮影:筆者)

小僧楽書:背景は東京湾レインボーブリッジ端っこ(撮影:筆者)

 

鹿児島佐多岬から北海道宗谷岬まで南無阿弥陀仏………テクテクテクテク。法衣・袈裟・数珠・錫杖・網代笠・手甲・脚絆すがたで念仏唱えつづけて日本縦断。度々迷いました。街中でも山中でも。迷いこそが生きることだと実感しました。小僧の拙い「悟り」です。迷って行きつ戻りつ迷いつづける、それが私の人生です。嗚呼ほんわかほんわか。