今回も関西の日本美術をテーマにした企画展を追った。大阪市立美術館では特別展「天平礼賛―高遠なる理想の美―」、滋賀のMIHO MUSEUMでも秋季特別展「MIHO MUSEUM コレクションの形成:日本絵画を中心に」がともに12月13日まで開催。また京都の相国寺承天閣美術館では「いのりの四季―仏教美術の精華」が1月17日まで、大阪歴史博物館でも特別展「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」が12月14日まで、それぞれ開かれている。いずれも日本古来の伝統で培われた「美」を謳歌していて、コロナ禍の鬱陶しい気分を払拭する内容だ。ただMIHOと大阪歴史博物館では日時指定の事前予約になっており、詳しくは会場に問い合わせていただきたい。

大阪市立美術館では特別展「天平礼賛―高遠なる理想の美―」
天平の美の潮流をたどる美術品約120件

日本美術の中で、正倉院宝物や古寺の仏像など奈良時代に花開いた天平美術は、時代を超えて愛され、後世の人々に多大な影響を与えてきた。毎年秋に開催される正倉院展は、調度品や楽器、染織品など天平美を象徴する宝物の開陳で、現代の人々を魅了する。今回の展覧会は、絵画・彫刻・工芸・書蹟など様々な分野に見られる天平の美の潮流を国宝5件、重要文化財23件を含む約120件の美術品でたどる試みだ。

 

天平年間(西暦729~749年)は、聖武天皇の代。奈良時代前半と重なり、この時代は正倉院の宝物をはじめ、東大寺、興福寺、薬師寺、唐招提寺などの寺院とそこに収められた仏像、仏教美術などは、奇跡のような美の世界をも現出させているといえよう。1300年の時を経た天平美術は、まさに日本美術の古典とみなされる所以でもある。

 

展示はプロローグ「天平探求―正倉院宝物の輝きを求めて」から始まり、1章「天平前夜―天平美術の源泉」、2章「天平精華―祈りの造形」、3章「天平回帰―復古・追慕・憧憬」、4章「天平幻想―古典化される天平美術」と、エピローグ「天平礼賛―歴史の中の天平美術」で構成されている。図録などを参考に章の内容と主な作品を画像とともに取り上げる。

 

1章は、遣唐使や留学僧らによってもたらされた中国・唐の文物を学んだ天平美術の基層に焦点を当てている。華麗な装飾や多様な素材、卓越した技法で格調高い工芸品を生み出した。重要文化財の《迦陵頻伽文八花鏡 (かりょうびんがもんはっかきょう)》(唐時代・8世紀、五島美術館蔵)は、極楽浄土の光景を表現した名品だ。

 

重要文化財《迦陵頻伽文八花鏡》(唐時代・8世紀、五島美術館蔵)

重要文化財《迦陵頻伽文八花鏡》(唐時代・8世紀、五島美術館蔵)

 

2章では、奈良の古寺に伝わる仏像など人々の心のよりどころとなった仏教美術が展示されている。《十大弟子頭部》(奈良時代・8世紀、大阪市立美術館蔵)は、興福寺西金堂に伝来した一軀と考えられている。また《花鳥文玳瑁螺鈿(たいまいらでん)八角箱》(奈良時代・8世紀、大和文華館蔵)は、漆を施した箱に玳瑁や螺鈿で装飾する逸品だ。

 

左)《十大弟子頭部》(奈良時代・8世紀、大阪市立美術館蔵) 右)《花鳥文玳瑁螺鈿八角箱》(奈良時代・8世紀、大和文華館蔵)

左)《十大弟子頭部》(奈良時代・8世紀、大阪市立美術館蔵)
右)《花鳥文玳瑁螺鈿八角箱》(奈良時代・8世紀、大和文華館蔵)

3章は、平安時代以降、歴史の中で幾度となく振り返られ、絵画や工芸にとどまらず香道や茶道などの分野にも影響をもたらせた天平美術の新たな役割を捉えている。正倉院伝来の《淡縹地大唐花文錦(あわはなだじだいからはなもんにしき)》(中国・唐または奈良時代・8世紀、東京国立博物館蔵)は、正倉院裂(ぎれ)の中でもっとも華麗な錦とされ、その精緻なデザインを今に伝えている。

 

《淡縹地大唐花文錦》(中国・唐または奈良時代・8世紀、東京国立博物館蔵)

《淡縹地大唐花文錦》(中国・唐または奈良時代・8世紀、東京国立博物館蔵)

 

4章では、天平美術の影響を様々な作例で検証し、明治に至り日本の美の古典としての評価を得るに至った過程を探っている。重要文化財の《伎楽面 迦楼羅》(奈良時代・8世紀、京都国立博物館蔵)や、同じく重要文化財で快慶作《執金剛神立像(しゅこんごうじんりゅうぞう)》(鎌倉時代・12~13世紀、京都・金剛院)も出品されている。この執金剛神立像は、東大寺法華堂の塑像執金剛神像の木造縮模刻像だ。

 

左)重要文化財《伎楽面 迦楼羅》(奈良時代・8世紀、京都国立博物館蔵) 右)重要文化財《執金剛神立像》快慶作(鎌倉時代・12~13世紀、京都・金剛院)

左)重要文化財《伎楽面 迦楼羅》(奈良時代・8世紀、京都国立博物館蔵)
右)重要文化財《執金剛神立像》快慶作(鎌倉時代・12~13世紀、京都・金剛院)  画像提供 奈良国立博物館 (撮影 森村欣司)

 

さらに天平美術の影響は《執金剛神縁起絵巻》(江戸時代・17世紀、大阪市立美術館蔵)や、明治から昭和時代の画家、藤島武二が描いた重要文化財の《天平の面影》(明治35年・1902年、石橋財団アーティゾン美術館〔旧ブリヂストン美術館〕蔵)にも及ぶ。他にも青木繁の《享楽》(明治36~37年・1903~4年、大原美術館蔵)や、岡田三郎助の《古き昔を偲びて》(大正15年・1926年、黒川古文化研究所蔵)なども並ぶ。このように洋画界で理想的な美人図として天平美人が描かれたのだ。

 

《執金剛神縁起絵巻》(江戸時代・17世紀、大阪市立美術館蔵)

《執金剛神縁起絵巻》(江戸時代・17世紀、大阪市立美術館蔵)

重要文化財《天平の面影》藤島武二作(明治35年・1902年、石橋財団アーティゾン美術館〔旧ブリヂストン美術館〕蔵)

重要文化財《天平の面影》藤島武二作(明治35年・1902年、石橋財団アーティゾン美術館〔旧ブリヂストン美術館〕蔵)

 

エピローグに、《華厳経(二月堂焼経)》(奈良時代・8世紀、小田原文化財団蔵)が出品されている。現代美術作家の杉本博司氏が古裂を用いて表装をデザインしたもので、新しい命を吹き込んだ、まさに天平礼賛の姿をといえよう。

 

《華厳経(二月堂焼経)》杉本博司装丁(奈良時代・8世紀、小田原文化財団蔵)

《華厳経(二月堂焼経)》杉本博司装丁(奈良時代・8世紀、小田原文化財団蔵)

MIHO MUSEUMの秋季特別展「MIHO MUSEUM コレクションの形成:日本絵画を中心に」
若冲の《象と鯨図屏風》や《耀変天目》など78件

日本の桃源郷を自認するMIHO MUSEUMは、大自然に囲まれた30万坪もの広大な敷地に立地し、内外の名品を鑑賞できる。紅葉の時期は美しく別天地だ。古代美術の常設展示とともに春夏秋には特別展を開催している。今回は同館所蔵の「日本美術」をテーマに、30件以上の初公開を含む絵画や工芸作品78件を出品。桃山時代から、伊藤若冲や曾我蕭白ら江戸の絵画を中心に、それらに大きな影響を与えた中国絵画を通して、コレクションの形成と発展の様相を展観している。

 

1997年11月に開館したMIHO MUSEUMは、「西洋と東洋」の融合をテーマに、古代エジプトから西アジア、ギリシア・ローマ、南アジア、中国など、世界の古代美術に加え、わが国の古代から江戸時代にわたる工芸、彫刻、絵画など幅広い分野のコレクション約3000件を有する。

 

秋季特別展では、「日本美術」のコレクションの形成過程を、茶道具を中心とした「黎明期」、開館に向けて大型の美術品が加わった「発展期」、そして開館以後、美術館らしい大作が加わった「充実期」に分けて展示している。半世紀を超えるコレクションの形成過程をふり返るとともに、これまで展示されなかった絵画や工芸の作品も鑑賞できる。

 

代表作を紹介する。「黎明期」は、茶の湯を機軸に、比較的小さな工芸や絵画作品が多い。《籐組茶籠(とうくみちゃかご)》には、《草花文青白磁香合》(南宋~元時代)はじめ、《粉引茶碗》(朝鮮時代)、《織部茶器》(江戸時代)、《伊万里赤絵振出》(江戸時代)、《象牙茶杓》などが収められている。様々な国や時代、素材の器物を自分好みに集めた数寄のコレクションだ。柳沢淇園(柳里恭)筆による《梅花小禽図》(江戸時代)は、画面全体に薄墨を刷いて、木に降りしきる雪を塗り残した絹地の白で表現している。

 

《籐組茶籠》の《草花文青白磁香合》(南宋~元時代)はじめ、《粉引茶碗》(朝鮮   時代)、《織部茶器》(江戸時代)、《伊万里赤絵振出》(江戸時代)、《象牙茶杓》など

《籐組茶籠》の《草花文青白磁香合》(南宋~元時代)はじめ、《粉引茶碗》(朝鮮 時代)、《織部茶器》(江戸時代)、《伊万里赤絵振出》(江戸時代)、《象牙茶杓》など

柳沢淇園(柳里恭)筆《梅花小禽図》(江戸時代)

柳沢淇園(柳里恭)筆《梅花小禽図》(江戸時代)

 

「発展期」になると、世界的な建築家I.M.ペイ氏の設計により美術館建設に伴い、世界各地の作品群が加わり、日本美術でも選りすぐりの作品が集められた。当サイト(2019年4月1日号)で掲載している重要文化財の《耀変天目》(中国・南宋時代)をはじめ、本阿弥光悦筆の「色紙」(桃山~江戸時代)や、長谷川派筆による《源氏物語図屏風》(江戸時代)、海北友松の《群馬図屏風》(桃山時代)などが出品されている。

 

本阿弥光悦筆「色紙」(桃山~江戸時代)

本阿弥光悦筆「色紙」(桃山~江戸時代)

長谷川派筆《源氏物語図屏風》(江戸時代)

長谷川派筆《源氏物語図屏風》(江戸時代)

 

「充実期」に入ると、江戸絵画を代表する若冲や蕪村、蕭白らの晩年の大作がくわわり、コレクションの一層の成熟が図られた。大胆な構図で、今や館の代表作として知られる伊藤若冲の《象と鯨図屏風》(江戸時代)や、伊藤若冲筆 梅荘顕常賛の《白梅錦鶏図》(江戸時代・18世紀)も鑑賞できる。このほか曾我蕭白の《富士三保図屏風》や、与謝蕪村の《山水図屛風》、岩佐又兵衛の《達磨図》(いずれも江戸時代)など注目作品が目白押しだ。

 

上)伊藤若冲《象と鯨図屏風》左隻(江戸時代) 下)伊藤若冲《象と鯨図屏風》右隻(江戸時代)

上)伊藤若冲《象と鯨図屏風》左隻(江戸時代)
下)伊藤若冲《象と鯨図屏風》右隻(江戸時代)

左)伊藤若冲筆・梅荘顕常賛《白梅錦鶏》(江戸時代) 右)岩佐又兵衛《達磨図》(江戸時代)

左)伊藤若冲筆・梅荘顕常賛《白梅錦鶏》(江戸時代)
右)岩佐又兵衛《達磨図》(江戸時代)

相国寺承天閣美術館の「いのりの四季―仏教美術の精華」
等伯の《竹林猿猴図屏風》など見どころ満載

相国寺は1392年に室町幕府三代将軍、足利義満によって創建された禅宗寺院。承天閣美術館は創建600年記念事業の一環として1984年に開館した。相国寺および臨済宗相国寺派に属する鹿苑寺(金閣寺)や慈照寺(銀閣寺)などが所有する墨蹟・絵画・工芸品等の文化財を収蔵・展示している。2004年には閉館した萬野美術館(大阪市)から国宝・重要文化財を含む約200点の美術品が寄贈された。

 

各寺院に伝来する宝物は、それぞれ祈りの場で必要とされ、祈りを荘厳するために求められた宗教芸術だ。今回の展覧会では、相国寺に連綿と続く仏教行事に焦点を当て、承天閣美術館に収蔵されている宝物がどのように各儀礼を荘厳してきたのかを伝えている。展示は4章で構成されており、プレスリリースを参考に各章の概要と主な展示品を取り上げる。

 

第一章の「春 観音懺法(かんのんせんぽう)は、中世より白衣観音を本尊とし、罪を懺悔する法要だ。その折の法具を中心に、連綿と現在に続く法要の世界に触れられる。狩野探幽筆《観音図》・狩野尚信・安信筆《猿猴図》の三幅対(江戸時代、相国寺蔵)はじめ、文室宗言筆の《観音三十三変相図》三十三幅のうち三幅(江戸時代、相国寺蔵)などが出品されている。

 

狩野探幽筆《観音図》・狩野尚信・安信筆《猿猴図》の三幅対(江戸時代、相国寺蔵)

狩野探幽筆《観音図》・狩野尚信・安信筆《猿猴図》の三幅対(江戸時代、相国寺蔵)

 

第二章は「秋 開山忌(かいさんき)」。勧請開山である夢窓疎石、第二世春屋妙葩、そして開基である足利義満の尊像などがまつられた開山堂では、毎年10月21日、開山忌が盛大に厳修され、その遺徳を偲ぶ。この章では、《夢窓疎石頂相 自賛》一幅(南北朝時代、相国寺蔵)や、狩野洞春筆の《中維摩居士左右雲龍図》三幅対(江戸時代、相国寺蔵)などが展示されている。

 

《夢窓疎石頂相 自賛》一幅(南北朝時代、相国寺蔵)

《夢窓疎石頂相 自賛》一幅(南北朝時代、相国寺蔵)

狩野洞春筆《中維摩居士左右雲龍図》三幅対(江戸時代、相国寺蔵)

狩野洞春筆《中維摩居士左右雲龍図》三幅対(江戸時代、相国寺蔵)

 

第三章は「寺院を荘厳する花鳥風月」で、仏をまつる寺院空間に掲げられた障壁画や伝来の屏風、掛け軸などには、様々な風景、生き物たちが描かれている。その愛くるしい姿もまた、この世界全てのものが仏であるという仏教観を伝えている。長谷川等伯筆による重要文化財の《竹林猿猴図屏風》六曲一双(桃山時代、相国寺蔵)や、円山応瑞筆の《朝顔狗子図》一幅(江戸時代、相国寺蔵)などの名品が並ぶ。

 

重要文化財長谷川等伯《竹林猿猴図屏風》六曲一双(桃山時代、相国寺蔵)

重要文化財長谷川等伯《竹林猿猴図屏風》六曲一双(桃山時代、相国寺蔵)

円山応瑞筆《朝顔狗子図》一幅(江戸時代、相国寺蔵)

円山応瑞筆《朝顔狗子図》一幅(江戸時代、相国寺蔵)

 

第四章は「仏教美術の精華」。寺院では四季を通じて様々な法要がとりおこなわれ、方丈、書院など寺院内の各所に仏画を中心に荘厳された空間が整えられる。正月の修正会には釈迦十六善神像、二月の涅槃会には涅槃図……といった趣だ。ここでは原在中筆の《釈迦十六善神像》(江戸時代、相国寺蔵)や、重要文化財の陸信忠筆《十六羅漢図》十六幅(中国・元時代、相国寺蔵)などが展示されている。

 

左)原在中筆《釈迦十六善神像》一幅(江戸時代、相国寺蔵)右)陸信忠筆《十六羅漢図》のうち(中国・元時代、相国寺蔵)

左)原在中筆《釈迦十六善神像》一幅(江戸時代、相国寺蔵)
右)陸信忠筆《十六羅漢図》のうち(中国・元時代、相国寺蔵)

 

このほか、後水尾院の仙洞御所で行われた観音懺法で用いられ、現存する後水尾院寄進法具が出品されている。また修理された「開山堂勅額」も特別公開され、展示室で間近に鑑賞できるのも見どころだ。

大阪歴史博物館の特別展「埋忠〈UMETADA〉桃山刀剣界の雄」
国宝や重文の名刀、刀身彫刻や鐔にも注目

刀剣の展示はしばしば見られる。日本刀には深遠な魅力があるからだ。美術工芸品の国宝のうち、刀剣は1割以上を占めているとも聞く。桃山刀の企画展は珍しく、刀剣ファンならずとも、一見の価値がある。

 

 

名刀がずらり並ぶ「埋忠」展会場

名刀がずらり並ぶ「埋忠」展会場

埋忠(うめただ)とは、桃山から江戸時代にかけて活躍した一門の名前だ。中でも埋忠明寿(みょうじゅ)は、刀剣、刀身彫刻、鐔(つば)に長じ、刀剣界で高く評価されてきた。今回の展覧会では、一門の刀剣・刀装具を紹介すると同時に、一門が手がけた、仕立て直しや金具制作、名刀の記録といった活動にも着目し、当時の時代背景からその実像を探っている。一門の多彩な活動を振り返ることで、それらが現在に残した影響の大きさを改めて評価しようといった趣旨だ。

 

展示は、序章が「埋忠の登場まで ―古刀から慶長新刀へ」。刀剣では慶長(1596~1615)時代以前のものを古刀と呼び、以後のものを新刀と呼ぶ。埋忠一門は新刀のさきがけといえる時期に登場するが、一門が登場する前の時代の日本刀の流れを、各地域・時代を代表する名だたる刀剣により概観している。

 

Ⅰ章の「刀工・鐔工としての埋忠一門」では、古刀から新刀に至る変革期を支えた一門の特徴や作風変遷をたどる。埋忠明寿は埋忠一門を代表する刀工であると共に、独創的な鐔作品を残した。明寿の刀剣は刀身彫刻が見事で、鐔は真鍮地や素銅(すあか)地に赤銅(しゃくどう)を象嵌した、鐔の概念を覆す枯淡な作風にその魅力がある。

 

明寿の刀身彫刻は弟子たちにも継承され、特に肥前の地では刀身彫刻の伝統が長く続いた。また江戸時代に入ると、京都を離れて活躍する門人も現れ、その作風は多様化する。

 

重要文化財《短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿 慶長十三年三月日/所持埋忠彦八郎重代》(慶長13年、個人蔵)

重要文化財《短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿 慶長十三年三月日/所持埋忠彦八郎重代》(慶長13年、個人蔵)

 

この章では、重要文化財の《短刀 銘 山城国西陣住人埋忠明寿 慶長十三年三月日/所持埋忠彦八郎重代》(慶長13年、個人蔵)をはじめ、重要美術品の《蔦文鐔 銘 埋忠 明寿》(桃山~江戸時代初期・17世紀、個人蔵)、《花丸文鐔 銘 梅忠七左衛門 橘重義作》(江戸時代・17世紀、個人蔵)などが展示されている。

 

左)重要美術品の《蔦文鐔 銘 埋忠 明寿》(桃山~江戸時代初期・17世紀、個人蔵) 右)《花丸文鐔 銘 梅忠七左衛門 橘重義作》(江戸時代・17世紀、個人蔵)

左)重要美術品の《蔦文鐔 銘 埋忠 明寿》(桃山~江戸時代初期・17世紀、個人蔵)
右)《花丸文鐔 銘 梅忠七左衛門 橘重義作》(江戸時代・17世紀、個人蔵)

 

Ⅱ章は「埋忠一門の実像」。一門の最大の特徴は、刀剣だけでなく鐔や刀剣に関わる金具類も手がけたことにある。また名刀の磨上(すりあげ)といった寸法を詰めたり、磨上に伴う金象嵌銘の嵌入を行った。ここでは一門の作業記録と考えられる刀剣博物館本『埋忠刀譜(埋忠銘鑑)』所載の名刀から、埋忠の実像に迫っている。

 

国宝《刀 金象嵌銘 天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物 稲葉江)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、岩国美術館蔵)撮影:中村慧

国宝《刀 金象嵌銘 天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物 稲葉江)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、岩国美術館蔵)撮影:中村慧

 

主な展示品に、国宝の《刀 金象嵌銘 天正十三十二月日江本阿弥磨上之(花押)/所持稲葉勘右衛門尉(名物 稲葉江)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、岩国美術館蔵)や、重要文化財の《短刀 無銘 貞宗(名物 太鼓鐘貞宗)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、個人蔵)なども見逃せない。

 

重要文化財《短刀 無銘 貞宗(名物 太鼓鐘貞宗)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、個人蔵)

重要文化財《短刀 無銘 貞宗(名物 太鼓鐘貞宗)》(鎌倉時代末期~南北朝時代・14世紀、個人蔵)